オーダーメイドのベルトコンベア設計・製作・組立:何を準備すべきか?
コンベア設計を依頼する際に送るべき情報、構成の選び方、製作・組立の流れ、試運転と検収のチェックリストを解説します。

オーダーメイドのコンベア設計は、モーターの選定やベルトの購入から始まるものではありません。出発点は、搬送する製品、ラインのタクト、設置スペースです。これらのデータが明確になって初めて、機械構造、駆動、制御の方式を選定する根拠が得られます。
本記事では、購買・技術・製造の各部門が平ベルトコンベアの製作を依頼する際の資料を準備できるよう、入力要件から組立・検収時のチェックポイントまでを解説します。
平ベルトコンベアはどのような作業に適しているか?
平ベルトコンベアは連続した支持面を形成し、作業位置の間で製品を搬送します。製品と環境が適合していれば、部品の供給・移載、検査、組立、梱包の作業向けにこの構成を検討できます。
搬送対象物がすべて同じベルトに適しているわけではありません。鋭利なエッジを持つ部品、転がりやすい製品、高温物、静電気に敏感な部品は個別に評価する必要があります。正確な位置決めが求められる場合、ベルトコンベアで製品を搬送できることが、ステーションでの停止精度を満たすことを意味するわけではありません。
ZINITEKが提供した写真では、直線状のコンベア構成、緑色のベルト、2本のサイドレール、パイプ製の脚部を確認できます。これは目視で確認できる外観の説明であり、装置の寸法図面や仕様表に代わるものではありません。

見積もり前に送るべき情報
製品と搬送荷重
製品の寸法、質量、底面形状、載置方向をご提供ください。同時に複数の製品がベルト上に載る場合は、1個あたりの質量だけでなく、個数と配置も説明してください。
製品の写真、図面、実物サンプルがあれば、滑り、傾き、乗り継ぎ部の隙間への引っかかり、ガイドレールとの擦れのリスクを確認できます。製品に複数のバリエーションがある場合は、最小、最大、最重量のものをすべてご提供ください。
設置寸法
資料には、搬送ラインの長さ、ベルトの有効幅、入口・出口の高さ、各作業ステーションの位置を示してください。ベルト幅と装置全体の幅は区別する必要があります。
レイアウトには、駆動部、制御盤または制御ボックス、清掃作業、ベルト交換のためのスペースを確保する必要があります。設置場所に収まっても、メンテナンス用のアクセススペースがなければ、使用時に支障が生じることがあります。
生産タクトと運転方法
目標生産量、製品間のピッチ、連続運転かサイクル運転かを明記してください。ステーションで停止させる必要がある場合は、停止時間と位置の要件も追加してください。
ベルト速度は、前後の工程と切り離して選定すべきではありません。次工程の処理が追いつかなければ、搬送ラインを速くしても生産量が増えるとは限りません。
環境と電気的要件
粉じん、油、湿度、温度、清掃方法、既設の電源について説明してください。ESD対策、食品接触、薬品使用などの要件がある場合は、適切な材料と構成を選定できるよう、調査段階からお知らせください。
ベルトが緑色だからといって、帯電防止や食品接触の要件を満たしていると判断することはできません。これらの要件には、材料の資料、サプライヤーの情報、具体的な検査基準が必要です。
機械構成と駆動部の選定
フレームと脚部は、荷重、ライン長、設置位置に応じて検討する必要があります。結合部、脚の間隔、安定性は、実際の設計案で確認しなければなりません。
ベルトについては、材料の種類、表面、継手方式、製品との接触条件を取り決める必要があります。プーリーを選定する際は、使用するベルトの要件と照合します。あらゆる構成に共通の径や張力を適用すべきではありません。
駆動部は、作業荷重、速度、起動方式、稼働時間と併せて選定する必要があります。配置位置は、設置スペースとメンテナンス時のアクセス性の両方を満たさなければなりません。
速度調整や他の機械とのインターロックが必要な場合は、互換性のある制御方式を決める必要があります。PLC、センサー、インバーターは、すべてのコンベアに標準装備されているわけではありません。

ご依頼から組立までの流れ
1. 調査と要件確定
製品、レイアウト、荷重、運転タクト、電気的要件を取りまとめます。供給範囲を、機械部分のみ、完成装置、既存ラインとの統合のいずれにするか取り決めます。
2. 設計と図面承認
配置図には、全体寸法、高さ、搬送方向、駆動部の位置、取合いインターフェースを示す必要があります。レイアウトに関わる変更は、製作前に対応しておくべきです。
3. 製作と組立
承認済み図面に基づいて各部品を検査した後、フレーム、脚部、プーリーユニット、ベルト、駆動部を組み立てます。調整は、各部品の取扱説明と具体的な構成に基づいて行う必要があります。
4. 試運転と調整
まず無負荷で確認し、その後、試験計画に沿って代表的な製品と荷重で運転します。ベルトの走行(蛇行)、エッジの擦れ、滑り、振動、異音、ステーション間の乗り継ぎ性を観察します。
5. 検収と引き渡し
結果を合意済みの要件と照合します。引き渡し資料には、操作方法、メンテナンス、交換部品リスト、装置の使用条件を定めておくべきです。
コンベア検収チェックリスト
- 寸法、高さ、搬送方向が承認済み図面どおりであること。
- 脚部が安定しており、締結部と組立部品が点検されていること。
- 合意した試験条件下で、製品が入口、出口、各ステーションを引っかかりや落下なく通過すること。
- 試験中にベルトがエッジと擦れたり、異常に片寄ったりしないこと。
- 運転、停止、インターロックの各モードが契約範囲を満たしていること。
- 巻き込み・挟まれのリスクがある箇所が評価され、保護措置と安全制御が専門家によって確認されていること。
- 引き渡し構成に応じた操作・メンテナンスマニュアルがあること。
このチェックリストは技術的な協議のための枠組みであり、安全認証ではなく、個々の機械のリスクアセスメントに代わるものでもありません。
同じ長さでも見積もりが異なるのはなぜか?
長さは構成の一部にすぎません。幅、荷重、ベルト、フレーム、モーター、制御、設置作業のすべてが供給範囲に影響します。
見積もりを比較するには、各社に同じ要件で見積もりを依頼してください。機械部分、電気・制御、付属品、輸送、据付、試運転を明確に分けます。制御を含まない機械一式と、ライン統合まで含む装置を比較すべきではありません。
コンベアをセンサーや他の機械と連携させる必要がある場合は、PLC・自動化の調査チェックリストもご参照ください。個別に製作が必要な機械部品については、CNCフライス加工サービスをご覧いただけます。
よくあるご質問
CAD図面がなくても相談できますか?
製品の写真、主要寸法、レイアウト、作業内容の説明から始めることができます。ただし、仕様と見積もりは確認済みのデータに基づく必要があり、承認済み図面は製作前の重要な根拠となります。
コンベアの写真から耐荷重を判断できますか?
できません。写真から構成は識別できますが、材料の詳細、板厚、駆動部、試験条件はわかりません。耐荷重は、設計とそれに対応する検証によって決定する必要があります。
すべてのコンベアにPLCが必要ですか?
いいえ。制御構成は、運転モードとインターロックの程度によって異なります。単独運転、速度調整、センサーによる停止、他の機械との連携といった要件を明確にしてください。
コンベア設計のご依頼
ZINITEKがコンベアの設計・製作・組立の方法についてご相談できるよう、製品の写真、寸法、荷重、運転タクト、設置レイアウトをお問い合わせページからお送りください。CADデータがある場合は、技術範囲を照合するために、配置図と接続が必要なインターフェースも追加してください。
参考資料
MISUMI - コンベア部品の構成と選定では、レイアウト、駆動部の位置、寸法、モーター、質量、速度に関する入力項目が紹介されています。
Dorner - 2200 iDriveコンベアは、メーカーの構成に関する参考資料です。メーカー製品の仕様を、ZINITEK装置の仕様として使用するものではありません。


