インダクタンス、DCR、定格電流:インダクタの仕様の読み方
インダクタの技術要件を準備する際に、インダクタンス、直流抵抗、飽和電流、熱的制限をどう区別するかを解説します。

公称インダクタンスが同じ2つのインダクタでも、そのまま置き換えられるとは限りません。仕様表を読む際は、ラベル上の1つの数値だけを照合するのではなく、測定条件、巻線抵抗、電流の各制限値を確認する必要があります。
インダクタンスは測定条件とセットで
インダクタンス値は、技術資料に記載された公差と試験条件と併せて読む必要があります。発注資料に値だけが記載され、測定方法が定められていなければ、双方が異なる条件での結果を比較している可能性があります。サンプル承認とロット検査では、合意済みの同じ測定手順を用いてください。
DCRは巻線の直流抵抗を表す
DCRはインダクタンスではありません。直流で測定したコイルの抵抗値であり、導体損失に関係します。代表値と最大値を区別するとともに、測定時の温度条件にも注意が必要です。ほかにも損失のメカニズムがあるため、DCRだけで部品全体の効率を判断しないでください。
飽和電流と熱的制限は別の概念
飽和電流は通常、規定のインダクタンス低下率に基づいて定められます。一方、熱的制限は温度上昇の基準と試験条件に依存します。したがって、インダクタの電流値について協議する際は、それがどの要件で、どのように測定するのかを明確にし、これらの仕様を相互に置き換えて使わないようにする必要があります。
回路と使用環境を踏まえて評価する
選定要件は、周波数、電流波形、回路配置、放熱条件にも左右されます。統一された基準で部品を評価できるよう、設計資料にはこれらの条件を示しておくべきです。寸法や目に見える巻数が同じであっても、2つのサンプルが同じ電気的特性を持つことの証明にはなりません。
サンプル承認前のチェックリスト
インダクタンスと公差、測定条件、DCR、電流要件、寸法、結線を照合してください。どの試験を発注の検収基準とするかを明記します。ZINITEKにご依頼の際は、設計資料または目標仕様表を添えていただければ、サンプルと検査の範囲についてご相談します。


